2014年03月

マンガ夜噺

いばら美喜の貸本マンガに『焦熱地獄』という作品があります。ヤクザに娘を誘拐され脅された同僚によって鉄工所の工員が溶鉱炉に落とされ殺害されるも、復讐のため鉄人間となって蘇るという話です。実はヤクザの裏で暗躍するボスは誘拐されたと思われた娘その人であり、同僚もその指示によって爆殺されてしまったのですが、これを目撃した主人公は自身の熱によってボスを蒸発させ復讐を果たすことに成功します。
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作中では主人公が狙われた理由などが明かされることなく、発想一発勝負で荒唐無稽とも言える内容ではあるものの、復讐を遂げた彼がクズ屋に「鉄の塊が落ちているよ」と告げ、自らを鉄塊と化すラストシーンが妙に印象的でした。
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鉄塊となった主人公を一瞥してクズ屋が「わたしゃ紙クズ専門だからいらないよ」と言い残しその場を去って行くというこの突き放し具合、どうにも寂寥感が尾を引く後味で、設定や女ボスを上から押さえつけジュージューと溶かしていくシーンなどにツッコミながら読んでいたせいもあり不意を突かれたようになったのを憶えています。

床に伏せながら早川義夫や浅川マキを垂れ流し放心していた時にそんなことを思い出したので、書き残した次第です。

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昨日は溜まっていたマンガの新刊を買いに書店へと走ったのですが、思ったより大量に買い込んでしまったこともあって、帰り道で本を入れていた袋がビリリと破け中身が道路に落ちて傷んでしまい非常に悲しくなりました。しかしアフタヌーンって薄くなったね。5、6年前に購読し始めた頃は1000ページ超えの鈍器だったのに今は800ページもない時がある。ヒストリエが休載しがちってことで寄生獣を一話から再掲載し始めたり、大丈夫なんかなあと。質より量とか言ってるわけではないけれど、肝心の中身もどうも振るわないような気がしてしまったり。まあ、次号からの木村紺と庄司創の新連載を楽しみにしておいて新刊についての感想でも。

片山ユキヲ『花もて語れ』11
朗読という珍しいテーマを扱ったこの作品もいよいよ最終章へ。朗読コンクールの選択課題で主人公ハナちゃんが選んだのは、坂口安吾『風博士』。僕自身高校の頃読んだ小説ではあるのですが正直よく分からなかったため、基本はナンセンスながら空想と実質の葛藤を描いているという解釈は面白かったです。作品の肝とも言える、朗読表現の際の表情豊かな筆絵や視点・場面によって使い分けられる写植などには圧倒させられるので是非におすすめ。次巻の題材は夢野久作『瓶詰地獄』であり、これまた期待出来そうです。

衛藤ヒロユキ『魔方陣グルグル2』2
無印グルグルの新装版と並べて陳列してあったから間違ってそっちの方買いそうになりました。相変わらずでいいんじゃないでしょうか。しかし、町自体が魔法陣になってるってのはアラハビカのセルフパロディなのか素でやってるのかよく分からんかったです。なんにせよ早くジュジュ様を拝みたい。

掘骨砕三『かわいいボク』
『クロとマルコ』以来5年振りの単行本だひゃっほう。人外異形なんでもありの作風の中では比較的珍しい、男の娘ものを中心とした一冊。ケモもあるよ。いろんな大きさのちんちんを集めて遊ぶお話と、1回500円の関係を続けるお話が好きです。これを皮切りに連続して単行本刊行とのことで嬉しいね。小瀬秋葉名義の『HARMFUL』を読みたいとずっと思っているのだけれど、値段的に今だ手が出ず……。

伊藤潤二・浦沢直樹・北見けんいち・能條純一・萩尾望都・原秀則・諸星大二郎『天才たちの競演』1
ビッグコミック創刊45周年記念、豪華執筆陣の短篇集。伊藤潤二・諸星大二郎・萩尾望都に惹かれて買ったものの明るい話が読みたかったってのもあり、他の先生方の作品が存外楽しめました。

タチ『桜Trick』4
脳が溶ける。

他にもあるのだけれどそろそろ疲れてきたので、ここらへんでさようなら。
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