2014年08月

r u ready 2 fall ?

スピリッツ新連載の『エロゲの太陽』が一部で話題ですね。一話は主人公が上司のミスを押し付けられて責任取って自殺しろと言われ逃げ出し、エロゲ会社の社長に拾われるところまでの導入部分。しかし面識ゼロかつ路上で転がってる奴を会って1分くらいでいきなり会社に引っ張っていくってのは豪気です社長さん。
今後は元有能企画マンであるところの主人公が門外漢の分野で試行錯誤しつつ女だらけの職場でイチャコラな感じになっていくんでしょうか。原作者が過去にエロゲ会社潰した社長らしいのでそこら辺からくるネタも楽しみなところ。どこのメーカーなんだろ……。
似たような題材のマンガは春風道人『げーむ屋さん?』が思い浮かびますが、こちらは4コマということもありドラマチックな展開より会社のシステムや業務内容についての説明が多かった印象が強かったかなあ。

さて、なんでこんな話を出したのかというと、さっきまでやってたのが『らくえん~あいかわらずなぼく。の場合~』だったからです。これも業界もので、同人誌に熱中して受験失敗したダメダメ浪人生の主人公がエロゲの原画に誘われて坂道コロコロ転落一直線なストーリー。堕落する準備はOK?
分かりやすい特徴は日常会話のギャグのテンポ良さと飽きさせない演出でしょう。登場人物がほぼみんなオタクなんで2ch用語が至るところにぶっ込まれ、映画マンガ特撮アニメ小説ゲームあらゆる方面からネタが飛んできます。テキストボックスに文字を収めることに拘らず、入りきらない超長台詞は(以下略で省略したり画面全体に文字を浮かび上がらせたり、ソフ倫規定に触れちゃうようなアレな発現でいちいち字幕で※が出てきたりと細かいとこまでコミカルで楽しい。
基本的にはぬるま湯に浸かったような雰囲気で、エロゲ制作もマスターアップ予定まで一ヶ月程なのにライターに逃げられ進行度0%どうしよー、まあどうにかなるっしょという風に緊張感があまりないものの、流石に修羅場ってくると倒れたりメンタルやられたりするメンバーが出てきますが、無理矢理シリアスな方向にもっていかずかつ暗闇部分もちらっと見せるのはバランスとれてるんじゃないでしょうか。
それと題材の性質上エロゲメタをかなり意識させるような作りになってた印象があります。エロゲのテンプレ、お約束を茶化すようなセリフをキャラに言わせメタりつつも、やっぱりこの作品自体エロゲだしご都合主義満載の青春劇になっちゃうし、制作現場の熱意と過酷さを実感混じりで描きつつも、最後はやっぱりエロゲだし幸せハッピーに落ち着くよね、みたいな諦観。
そこらへん引っかかってしまうと、僕の探していたらくえんだって結局薄汚れた現実に立脚する偽りの理想郷に過ぎなかったんだえーんえーん、みたいになるかもしれないです。なりました。自分の趣味への熱意に疑問を持ちながら創作もなにもしないけど、でもオタク文化もサブカルチャーも好きなはず、だよねえ、と誤魔化してる感が何年もずっと拭えないです。だからこそ「堕落する準備はOK?」の言葉が非常に痛い、刺さる。探していたらくえんはここにあったんだよ!と堕落を受け入れる覚悟も割り切る覚悟も、まだできてないのですから。
あ、個別ルートは可憐先輩のやつが好きです。ちっちゃくて合法ロリで高圧的なグラフィッカーなのです。でもたまに弱気になるのがいぢらしいのです。それと現役女子中学生の双子妹どっちも最高。中の人も金田まひると草柳順子でバッチリだ。
ただ、作中でエロくないエロゲは悲惨だぜ的なことを言いつつシーン回想がないってのはどういうことなんですかね。当時でもそんな仕様少数派だったのではないだろか。シナリオ面でもかつて自動車事故で亡くした兄についてのシーンが思わせ振りに挿入されるくせに最後までロクに説明なしだったのがちょっと気になりました。
あと、おまけとして作中作のゲーム「ぼくのたいせつなもの」が収録されてるんですが、短いわりに出来はかなりいいです。本編「らくえん」がコメディテイストなのと対称的に、こちらはSF世界観の中で生命倫理を問う暗い泣きゲー。しかし絵柄も内容もらくえんより万人受けしそうなものをわざとやってる感じが天邪鬼というかなんというか……。

余談。このTerraLunarってメーカー以前どこかで名前見た気がしてたんですが、花見沢Q太郎が原画のソフトだしてたとこでした。そういや単行本で宣伝してたような。小林立がキャラ原案という「ロケットの夏」もここだったんですねえ。活動停止前最後の作品が「らくえん」だったってのも随分因果な話しであります。


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